腰部脊柱管狭窄症とは?
腰部脊柱管狭窄症とは、腰の骨(腰椎)にある脊柱管という神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰や足などに痛みやしびれを引き起こす病気です。
症状
腰部脊柱管狭窄症の主な症状は以下の通りです。
- 腰の痛み: 腰の後ろ側や横側に痛みが生じます。
- 足などの痛み・しびれ: 腰椎から伸びる神経が圧迫されることで、足、足先に痛みやしびれが広がることがあります。
- 間欠跛行(かんけつはこう): 歩行中に足の痛みやしびれが強くなり、休憩すると症状が軽減する現象です。
- 足の筋力低下: 神経圧迫が強い場合、足の筋力低下や細かい動作が困難になることがあります。
- 感覚障害: 皮膚の感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったりすることがあります。
- 排尿障害: まれに、神経が圧迫されることで排尿障害が現れることがあります。
特徴
- 症状は、脊柱管の狭窄の程度や神経圧迫の程度によって異なります。
- 高齢者に多く見られますが、若い世代でも発症することがあります。
- 症状が進行すると、歩行困難や日常生活に支障をきたすことがあります。
なりやすい職業
以下の職業は、腰椎に負担がかかりやすく、腰部脊柱管狭窄症のリスクが高いと考えられています。
- デスクワーク: 長時間同じ姿勢での作業は、腰に負担をかけます。
- 重労働: 重い物を持ち上げる作業は、腰椎に大きな負担をかけます。
- 運転手: 長時間の運転は、腰の筋肉を緊張させます。
- 介護職: 中腰での作業や、人を抱え上げる動作は、腰椎に負担をかけます。
- 長時間の立ち仕事、座り仕事: 同じ体勢での作業は、腰椎に負担をかけます。
日常生活の注意点
- 正しい姿勢を保つ: デスクワークや運転中は、背筋を伸ばし、腰を反らさないように注意しましょう。
- 適度な運動: 腰のストレッチ、ウォーキングなどの軽い運動を習慣にしましょう。
- 長時間の同一姿勢を避ける: デスクワークや運転中は、こまめに休憩を挟み、腰を動かしましょう。
- 寝具の選び方: 硬すぎる布団や柔らかすぎる布団は、腰に負担をかけます。自分に合った寝具を選びましょう。
- 重いものを持ち上げるときは注意する: 腰を痛めないように、膝を曲げて持ち上げるようにしましょう。
一般的な治療法
- 保存療法:
- 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や湿布などを使用します。
- 神経ブロック注射: 神経の痛みを和らげるために、局所麻酔薬などを注射します。
- 理学療法: 腰や足の筋肉を強化し、柔軟性を高めるための運動療法やマッサージを行います。
- 装具療法: 腰痛ベルトなどを装着し、腰を固定します。
- 手術療法: 保存療法で改善が見られない場合や、神経症状が進行している場合は、手術が検討されます。
予防法
- 正しい姿勢を保つ: 日常生活で正しい姿勢を意識し、腰への負担を減らしましょう。
- 適度な運動: 腰のストレッチ、ウォーキングなどの軽い運動を習慣にしましょう。
- 腰の筋肉を鍛える: 専門家の指導のもと、腰の筋肉を鍛えるトレーニングを行いましょう。
- 同じ姿勢を続けない: デスクワークや運転中は、こまめに休憩を挟み、腰を動かしましょう。
- 自分に合った寝具を選ぶ: 寝具の硬さや高さを調整し、腰への負担を軽減しましょう。
- 体重管理: 肥満は腰への負担を増大させるため、適正体重を維持しましょう。
補足
- 腰部脊柱管狭窄症の症状は、他の病気と似ていることがあります。自己判断せず、専門医の診察を受けましょう。
- 早期発見・早期治療が大切です。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。