イップスとは?原因、症状、克服法を解説
イップスとは、精神的な要因によって、今までできていた動作ができなくなる運動障害の一種です。主にスポーツ選手に見られ、特に野球、ゴルフ、テニス、ダーツなどの競技でよく知られています。
イップスの原因
イップスの原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
- 過去の失敗体験: 過去の試合や練習で起こったミスや失敗がトラウマとなり、特定の動作に対する恐怖心や不安感を引き起こすことがあります。
- プレッシャーや緊張: 大事な場面でのプレッシャーや、周囲からの期待などが過度な緊張を生み出し、動作を阻害することがあります。
- 完璧主義: 完璧なプレーを求めすぎるあまり、少しのミスも許せなくなり、それがプレッシャーとなって動作に影響を与えることがあります。
- 自己否定感: 自分の能力やプレーに対する自信のなさ、自己否定的な考え方が、動作に対する不安感や恐怖心を増幅させることがあります。
- トラウマ体験: スポーツとは関係のない過去のトラウマ体験が、特定の動作や状況と結びつき、イップスを引き起こすことがあります。
- 脳機能の変化: 近年の研究では、イップスは脳機能の変化によって引き起こされる可能性も指摘されています。特に、運動制御に関わる脳の部位の機能異常が関係していると考えられています。
イップスの症状
イップスの症状は、個人差が大きく、軽度なものから重度なものまで様々です。
- 動作のぎこちなさ: 特定の動作がスムーズに行えなくなり、ぎこちない動きになることがあります。
- 筋肉の硬直: 動作時に筋肉が硬直したり、震えたりすることがあります。
- コントロールの喪失: ボールや道具のコントロールが定まらなくなることがあります。
- 動作の回避: 特定の動作自体を避けるようになることがあります。
- 精神的な苦痛: 極度の不安、恐怖、焦り、自己嫌悪などの感情に苦しむことがあります。
- 身体症状: 動悸、発汗、吐き気、めまいなどの身体症状が現れることがあります。
イップスの種類
イップスは、症状が現れる動作によっていくつかの種類に分けられます。
- 投球イップス: 野球の投球動作に症状が現れるイップス
- パットイップス: ゴルフのパッティング動作に症状が現れるイップス
- サーブイップス: テニスのサーブ動作に症状が現れるイップス
- ダーツイップス: ダーツの投擲動作に症状が現れるイップス
イップスの治療法
イップスの治療法は、症状の程度や原因によって異なります。
- カウンセリング: 心理的な問題を解決するためのカウンセリング
- 認知行動療法: 思考パターンや行動パターンを変えるための治療法
- 薬物療法: 抗不安薬や抗うつ薬などを使用する治療法
- 動作改善: 専門家による動作指導やフォーム改善
- リハビリテーション: 段階的なトレーニングで動作の回復を目指す
- TMS治療: 磁気刺激によって脳機能を改善する治療法
イップスへの対処法
- リラックスできる環境を作る: 練習や試合前にリラックスできる時間を作り、心身の緊張をほぐしましょう。
- 成功体験を積み重ねる: 小さな目標を達成していくことで、自信を取り戻し、成功体験を積み重ねましょう。
- 完璧を求めすぎない: 完璧主義を捨て、失敗を恐れずにチャレンジする気持ちを持ちましょう。
- 周囲のサポートを得る: コーチやチームメイト、家族など、周囲のサポートを得ながら、焦らずに克服を目指しましょう。
- 専門家のサポートを得る: 症状が改善しない場合は、専門家(スポーツ心理士、精神科医など)のサポートを受けましょう。
整体におけるイップスの対応について
イップスは一般的に精神的によるもの、と言われていますが整体の観点でみると特定条件における姿勢の崩れ、過緊張、弛緩といった脳指令の誤作動としています。
投球時におけるフォームを確認することで過緊張になる部位、を見つけ出し整えることで症状が良くなっていきます。
イップスは、決して珍しい症状ではありません。多くのアスリートが経験し、克服しています。諦めずに、自分に合った対処法を見つけ、イップスを克服しましょう。
気になる症状があればご相談ください。